【体験談】ロシアで乗っては行けないタクシーに乗るとこうなる

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ロシアの白タクとは何か?

白タクについて

白タクとは、正式に登録されていない、違法のタクシーを指します。日本にもありますが、海外の白タクは危険性が高く、通常のタクシーの10倍ほどの高額請求をされることもあるため、ナンバープレートの色や車体のロゴ等を確認し、ちゃんと登録手続きがされた合法なタクシーを利用することが重要です。

白タクがある理由

白タクは特に観光地や都市の中心部で営業している事が多いです。地元民からお金を巻き上げるのは困難であるため、土地勘の無い外国人が多い場所が狙い目です。故に、観光地や都市部を中心に走っています。通常の車載メーターをつけず、交通ルールも適当なため、法外な運賃の請求をされたり、運転が荒い傾向があります。白タクのドライバーに「何でモスクワで仕事してるのか」と聞いたら、ストレートに「儲かるからだよw」と言ってましたが、どうなんでしょうね。

白タクのリスク

法外な料金の請求

白タクのドライバーは車載のメーターを使用せず、スマホのアプリを使用してメーター代わりに利用することもあります(私の利用した白タクはそうでした)。そのため、メーターのカウンター機能が車載メーターとは異なる計算になるため、目的地に到着した際に法外な料金を請求されることがあります。私の場合は正規の運賃の約10倍の額を請求されましたw

また、事前に料金を交渉しても、到着後に追加料金を要求されるケースもあるので、いずれにしても白タクに乗って通常価格で降りることは無理だと思った方が良いですね。

安全性の問題

白タクのドライバーは無理をした運転をする傾向にあるので、たとえば横で渋滞している車両をよそに、ゼブラゾーン上を速度を上げて進行していきます。ロシアで何度もタクシーを利用しましたが、白タク以外のドライバーはどんなに渋滞していてもゼブラゾーンを通っ無理やり速度を上げたりはしませんでしたね。

また、白タクのドライバーは保険に加入していないこともあり、事故が起きても保険の保障の適用外になることもあるため、要注意です。 

白タクの見分け方と回避方法

白タクの特徴

白タクの特徴として、まずは「シンプル」だという特徴があります。所謂タクシー的な見た目(会社のロゴや電話番号、広告等)をしておらず、一般の自家用車のような見た目で、外観に何もロゴや文字が記載されていないことが多いです。次に車内の様子ですが、車載メーターが無いことが多く、代わりにドライバーのスマホを立ててメーター代わりに使っていたりします。スマホのメーターは通常料金の10倍程の値段をカウントするように設定されているのか、とにかく運賃がめちゃくちゃです。

また、タクシーの駐車位置でも白タクと通常のタクシーは分けられます。空港から出ると、目の前にタクシー乗り場があるのですが、手前側の方に駐車しているタクシーにはロゴ付きのYandexタクシーが多く駐車して客待ちしていますが、一方で白タクの場合、車両自体は奥の方に駐車しており、ドライバーのみが客の呼び込みをするために空港入口付近まで出てきて観光客に声掛けをしています。積極的に話しかけてくるドライバーは高確率で白タクドライバーの可能性があるので、どんなにしつこくてもついて行かず無視するのが重要です。

白タクは一人でやっているドライバーもいればグループでやっている白タクドライバー集団もいます。例としては以下のような手口があります。

グループの一人が空港入口付近に来て客を呼び込む→客がついてきたら白タクの駐車場所まで誘導→仲間内で相談して誰のタクシーに乗せるか話し合う→客を乗せて出発

という流れです。白タクではないまともなドライバーも客を呼び込むために話しかけてくる可能性はありますが、いずれにしても話しかけてくるドライバーは全無視でOKです。「Yandex Go」アプリを事前にインストールしてアプリ経由で配車すれば済む話だからです。

安全なタクシーの選び方

ロシアの白タク対策は簡単にできます。車体に「YANDEX」または「Яндекс」のロゴがあるのを確認すること。

↓統一はされていませんが、こういうデザイン。

そして、原則、アプリから配車したタクシーのみ利用するのが確実です。アプリは「Yandex Go」(Android)または「Yandex Go」(iOS)を日本から出国する前にインストールしておき、設定等も済ませておくことです。ロシア人はロシアの銀行口座を持っているので決済方法もSberbank等使いますが、口座を持っていない私たち外国人も問題なく使えます(現金払いを選択して配車すればOK)。詳しいタクシーの配車方法と乗り方についてはこちらの記事で解説しています。

白タクの乗車体験談

↓白タクから撮影した動画。 この日が初雪だったようです。

いきなり話しかけてくる中央アジア系ドライバー

空港を降りてすぐに話しかけてきたのはモンゴロイド系のドライバーでした。

そもそもの話ですが、ロシアでタクシードライバーをやっているのは多くが中央アジア系(日本人に近い平坦な顔のタイプ)や中東系の移民が多く、日本人の想像するロシア人的な風貌(ヨーロッパの白人的な)のドライバーはあまりいません。タクシードライバーは基本的に低収入のため、コーカソイド系のロシア人はあまりやりたがらないからです。この点、日本のタクシードライバーとは違いますね。日本の場合、白タクではなく正規のドライバーでもうまくいけばかなり稼げる人もいますし、ホスピタリティを意識したサービスを提供してくれる一流のドライバーもいるので。

私に話しかけてきたのはモンゴロイド系のドライバーで、グループのメンバーもみんなモンゴロイド系でした。ただ、ロシアは多民族国家であるため、シベリア方面の東側ロシア人は日本人のような顔のモンゴロイド系住民が多くいます。なので、この人たちが移民かどうかは分かりません。事実、私を乗せたドライバーはロシア人だと言っていました。英語はほぼ通じず、ロシア語しか話せないようでした。

ただし、同じロシア人でも、知る限りではコーカソイド系ロシア人の方がモンゴロイド系ロシア人よりも地位が高いようで、そのためか、コーカソイド系ドライバーは少なめでした。

私が一度乗ったコーカソイド系ドライバーは運賃の計算をまったくせず、乗客である私にすべて任せてきた(お釣りの計算すら私の言いなりで一切計算しなかった)ので、もし私が悪い乗客で、運賃をちょろまかしたらどうするつもりだったのだろうと余計なお世話ながら心配になってしまいました(笑)

交渉はまったく意味をなさない

白タクに何かを期待するのがおかしいのですが(笑)、事前にアプリの画面を見せて「この金額で良いか」と確認をすると、OKOKと適当に返事をします。そして実際に乗車すると、車載メーターが無く、運転席にスマホが設置されていて、その画面上に何らかのアプリと思われるメーターが表示されています。乗車前に交渉をしたとしても、降車時にはその金額の10倍の金額を請求されるので、交渉は無意味です。白タクには乗らないようにするしかありません。

おつりをくれない

私の場合、モスクワのSheremetyevo空港からVnukovo空港まで行きましたが、通常の運賃ではコンフォート車両(エコノミーよりも乗り心地がいいやつ)で約2,200RUBなのに対し、実際に請求された金額は23,000RUB程度で、その際細かい紙幣が無かったために25,000RUB取られました。何やらいろいろ言ってましたが、お釣りは無かったですね。何か危害を加えられても困るので、記事や動画のネタにできれば良いやと思い、最初の金額ちゃうやんと文句言いながらとりあえず払いました。

トラブルに遭遇した場合の対処法

まずは白タクには乗らない、アプリで配車したタクシーのみ乗る、を徹底する必要があります。しかし、もし乗ってしまったらどうしたら良いのか説明します。

警察への通報

ロシアの警察の電話番号は「102」または「112」です。直接警察に繋がるのは102ですが、SIMカードがロシア仕様になっていない等、事情がある場合は緊急時の総合窓口である112にかけます。固定電話から警察を呼ぶ場合は「02」、怪我をしていて救急車を呼ぶ場合は103にかけると救急車を呼べます。

こちらのページも非常時に使えるロシア語が載っていたりと参考になります。

その際、危害を加えられないように、その場では大人しくお金を支払った方が良いかと思います。降車後に車のナンバープレートの写真を撮っておく等すると良いでしょう。

とにかくアプリ経由で配車する

Yandex Goアプリはドライバーの顔写真、名前、ナンバープレート、料金、車種等がすべて記載されていて、近隣にいるドライバーの現在位置もリアルタイムで確認することができます。日本を出発する前にスマホにインストールしておき、パスワードの設定等も済ませておくとロシアに着いてから安心です。

使い方もシンプルなので、まず現地に到着したらすぐにアプリを起動し、試しに1台配車してみましょう。日本語には対応していないので、ロシア語か英語での操作になりますが、UIデザインが良く直感的に操作できるシステムになっているので安心です。

実際に配車したドライバーが近づくと、ドライバーの方から窓越しに声がけしてくれるので、アプリに表示されているナンバープレートや車種の確認をして一致しているのを確認したら、ドライバーにスマホの画面を見せて「行き先」と「運賃」の最終確認をしてドライバーが了承したら乗り込んでください。

まとめ

白タクに乗らないように注意をするのがまず重要ですが、白タク対策は簡単にできます。日本にいる間にYandex Goアプリをインストールしておき(ロシアのSIMカードの準備も忘れずに!)、アプリで配車を済ませ、画面上の情報が一致していることを確認してから乗るようにすればまず被害に遭うことはありません。そもそもロシアは治安自体はEU諸国よりも良い位で、日本と比較しても治安がそこまで悪いくらいではなく、場所によっては東京よりもモスクワの方が安全な場合もあるかと思います。注意すべきポイントは押さえつつ、めいいっぱい観光を楽しんでくださいね!